まさか、入院中の食事、全部写真に撮る気じゃあるまいな、私(笑)?
このチーズケーキは、義母が風花にといって持ってきたもの。 病室のミニマム冷蔵庫には箱ごと入らないからと、箱から出してケーキだけ冷蔵庫に収め、箱をさっさと捨ててしまった…☆ んなコトしたら、余っても持って帰ってもらえないじゃん。(+_+) 店で切ってもらったと言っていたけれど、風花はたぶん、ひと切れの半分しか食べられない。 義父母が来たのが昼下がり。 その頃には、各ベッドが見舞い客で大変賑やかなことになっていた。 隣だけじゃない。斜め前には“声をおとして話す”ことができないオバサン3人組(産婦の親戚かな?)がいたし、お向かいにも誰か来ていた。 …やれやれ。 せめて私だけは、分別ある大人の行動をとろう。 義父母が帰って1時間ほどした後、実両親が来たので、ロビーに連れだした。 時間を前後して、夫から、これから風花を保育園に迎えに行ってから、ふたりで病院に来るという連絡があったので、5人でケーキを食べようと思ったのだ。 ロビーで1時間半くらい待った。実両親となんて、そうそう話は弾まない。それでも頑張って(父のために)一生懸命話題を探して、お喋りを続けた。 その間に、主治医の脱力先生がチラチラこちらを気にしながら通り過ぎて行く。 そりゃ気になるわ。半日前に出産したばかりの産婦が、ソファに座って元気に1時間以上も喋っているんだもん。 夫と風花が来て、茶話会が始まった。 ああかっこ悪。面談室(そーゆーのもある)借りたらよかったかな。でもケーキは美味しかった。 夕食は、ひじきだのプルーンヨーグルトだの、鉄分に気を遣ったメニュー。ソッコーで完食した。どんなときでも食欲が衰えないのが自慢(に、なるのか?)な私。チーズケーキふた切れ食べたのに…。この入院中に太っちゃうかな。乳は出ているけれど。 夕食が済んだら、赤ちゃんが口を動かしはじめたというので、新生児室から連れてきてもらい、おっぱいタイムになった。 風花のときのことを思い出す。 あのときは3日目くらいから乳をやりだしたのだが、ずいぶん辛かった記憶がある。 乳房がカンカンに張り、乳首も固くて、吸われるのが痛くてたまらなかった。 なにより、40分もじぃ~っと赤ちゃんを抱き続けているのが、苦痛だった。緊張していたのだろうし、出産に時間がかかったために体力の回復も遅かったから、赤ちゃんを可愛いと思う余裕が全くなかったのだ。 けれども、今は。 風花の4年分成長した姿を目の当たりにしているからなのか、腕の中の、風花にそっくりな、まるで風花の時間を巻き戻したような赤ちゃんを見ていると、たまらなく愛しさがこみ上げてくる。 なんて、幸せなんだろう。 夜になって、歯を磨きに洗面所へ行くと、ふたりのパジャマ姿の女性がお喋りをしていた。 彼女たちの声は病室まで聞こえてきていて、どこからだろうと思っていたのだが。 メーワクなひとがここにも。 仕方がないので、彼女たちのすぐ横で、歯磨きをはじめたのだが…、勿論会話は丸聞こえ。 どうやら。 彼女たちは妊娠中にトラブルを抱えて、何週間も入院している、レッキとした『患者』だったのだ。 病気の辛さを分かち合っているふたりの横で、何のトラブルもなく、予定日(の、43分過ぎ)にすぽんと産んで、ぴんしゃんしている私は、黙って歯磨きを終えて、スゴスゴと病室に引き下がったのであった。 #
by windblossom
| 2007-10-17 06:58
| 出産、そして
よかった、(一応)マトモ。
きっと朝のは、入院が夜中だったから準備が間に合わなかっただけなのね。 隣、ただでさえ賑やかなのに、じじばばが面会にきたよ。 産婦人科だから、赤ちゃんの泣き声はヘーキだけど、じじの「おぉよちよち、かわええのぉ」とかばばの「お父さん、手ぇ洗ってきぃな」はウルサい。 話したきゃロビーに行け。 しかし数時間後、クィーンオブうるさい婆の実母がやってくる。 マナーをわきまえてる私は、ちゃんとロビーに連れ出すんだもん。 ……続く。 #
by windblossom
| 2007-10-16 13:28
| 出産、そして
運ばれてきた朝食。マジですか!?
…イヤこれは、出産当日の朝だから、だと思っておこう。(-.-;) 個室を希望していたが、空きがないとのことで4人部屋になった。 それはまあ、仕方がない。 出産が夜中だったので、朝まで陣痛室で休んでから、部屋に入った。午前6時前くらいだった。 物音に目が覚めてしまったのか、隣のベッドから携帯電話のキーを操作する音が聞こえてきた(そのくらいベッドが近くてカーテンが薄い)。 この、お隣さん。 昨日出産したばかりで、しかも初産らしいのだが、結構、否カナリ、賑やかなひとだった。 メール打ち(だと思う)が終わると、起き出して荷物の整理をはじめた。 まあ、それは良い。 何でも訊かないと気が済まない性格らしく、助産師を捕まえてはあれこれ尋ねる。 まあ、それも、良い(お陰で食器の出し方とかお茶もらいに行くとことかわかったし)。 赤ちゃんにおっぱいをあげながら、いろいろ話しかける。 これはもう、全く問題なし。大変結構。 だが。 携帯電話のアラームや着信音は鳴り響く(マナーモードにしなさい)。テレビの音は聞こえてくる(イヤホンを使いなさい)。挙げ句の果てに、ベッドの上でご主人やお母さんに電話をかけはじめたのだ(ロビーに行きなさい)! あのねえ。 確かにこの部屋にいるひとたちは、病人じゃないけどね(産婦が集められている部屋だから)。 でも、ここは、病院なのよ? ホテルじゃないのよ!? 彼女の出産が昨日、私が今日。 1週間のうちに、しゅび良く希望している個室が空かなけりゃ。 退院前日まで、ずっと隣同士ィ?(T_T) ……続く。 #
by windblossom
| 2007-10-16 11:48
| 出産、そして
再びベッドに移され、先ほどの陣痛室に戻されると、夫と長女が入ってきた。
長女は私の顔を見ると、先刻の大騒ぎを思い出したらしく、少し怖がっている。「大丈夫だよ、おかあさん、もう痛くないから」 そう言って長女の頬を撫でようとした私の左腕に、点滴が刺さっているのを見て、彼女は更に怖がった。 「おかあさん、おちゅうしゃちっくん、どうして してるの?」 「これはね、赤ちゃん産んでしんどいから、早く良くなりますようにっていうお注射だよ。痛くないよ」 「でも ささってる」 「風花ちゃんも、そのうちインフルエンザのお注射しにいかんとあかんなぁ」 夫がいらんことを言った。 「いやぁ。おちゅうしゃ いや」 とうとうベソをかきだした。 「大丈夫大丈夫、今日じゃないから。また今度、ってことだから」慌ててなだめる夫。あほ。 午前2時を過ぎていた。夫と長女が帰ると、狭い陣痛室にひとりぼっちになった。 しばらく起き上がってはいけないのだが、何もすることがない。こういうときこそ持ってきた漫画を読みたいものだが、バッグは部屋の隅に置いてある。自分で起き上がって取って、具合が悪くなっても馬鹿みたいだし、ナース・コールで頼むのも憚られる。「休んでいなさい」って怒られそうだし。 ぼんやりと、朝になったら友人・知人に打つ携帯メールの文面を考えた。ほとんどの友人に今回の妊娠を伝えていないので、皆びっくりするだろうなと思った。ええ~っ、知らなかった! という返信が、次々に来るだろう。くすくす。その反応を見たいがために、沈黙を守っていたようなものだ。 ブログにも書こう。出産体験記の文面も考えなくちゃ。 あれこれ考え事をしているうちに、ときが過ぎた。 微かにノックの音がして、そぉっとドアが開いた。 午前4時を回っていた。 「ノギさん? 赤ちゃんがおくちをもぐもぐさせているんですけど…、おっぱいをあげてもらえます?」 助産師が、開いたドアから顔を覗かせて訊く。 「はい。お願いします」 そう答えると、一旦立ち去り、白いおくるみに包まれた赤ちゃんを抱いて戻ってきた。 おっかなびっくり受け取る。 うひゃひゃ。新生児を抱くのは4年ぶりや。ちっちゃいなぁ。 寝巻きの前を開けて乳を出し、乳首を小さな口に当ててみる。赤ちゃんの口は本当に小さくて、なかなか咥えられない。それでも、本能に従ってしきりにもぐもぐと唇を動かし、舌を出して、おっぱいを――これまで臍から勝手に流れ込んできていたのと違い、これからは自分の意思で、自分の力で吸い上げなければならない命の糧を、探している。 始まるんだなぁ。これから。 私と夫と、長女と猫と、そして赤ちゃんと。4人と1匹の暮らしが。あらたに、始まる。 きっと、忙しくて楽しくて穏やかで、眠かったり辛かったり、泣いたり怒ったり笑ったりする、幸せな日々に違いない。 どうか。そうやって、過ごせていけますように。 #
by windblossom
| 2007-10-16 04:30
| 出産、そして
ずるり、と、赤黒い物体を、助産師が引きずり出した。
ふっ、と、痛みが消える。 出たぁ~……。 ほにゃぁぁ、という産声が響き、おめでとう、女の子よ、と誰かが言った。 あぁやっぱり。女の子だったね。そうだと思ってたよ。 ふぅ……。長く息を吐いた。 やれやれ。 「12時43分ですね」 誰かの声が聞こえた。 ありゃま。まだ日が変わったところなんだ。陣痛が本格的になってから、2時間しか経っていない。病院に着いてからでも1時間弱ってところだろう。 これまた、早く終わったもんだ。陣痛が始まる前は、あんなに長々と気を持たせたのに。始まったら、それこそあっという間。脅威のスピード出産ってとこかしら。 私の右二の腕の上にシートが敷かれ、生まれたばかりの赤ちゃんが横たえられた。小さなお腹に、大きなクリップがくっついている。臍の緒が切られたのだ。 これで完全に、私とこの子は別の生き物になった、ということだ。 「さぁ、抱っこしてあげて。お手々が冷たくなっているから、お母さんの手で暖めてあげてね」 赤ちゃんの小さな握りこぶしを掌で包み込みながら、私は、この子に一番言いたかった言葉を、言った。 「待ってたでぇ…」 くすくす、と助産師が笑う。 いやもうホンマに。待ってた。長かった、とくにこの3週間。悪阻も乗り越えた、仕事も家事も育児もそれなりに頑張った、夏の暑さも耐え抜いた。 やっと抱けた、やっと見られた。愛しい愛しい、私の赤ちゃん。 と、もぞもぞ動いていた赤ちゃんの小さな小さな口から、ピンクの下がぺろりと覗いた。 「あら。べぇってすんの?」 うふふっ。可愛いなぁ。 お姉ちゃんに、そっくりだね。 うっとりと眺めていたが、ほどなくして赤ちゃんは、連れて行かれてしまった。 「ほなみちゃんや!」 隣の部屋から、娘――は、ふたりになったのだから、長女、としようか――の声が聞こえてきた。 「あら、もう、お名前、決まっていたんですか?」 「ええ、まぁ。女の子だったらそうしようと」 「どういう字?」 「稲穂の穂に、波です」 「まあ、秋らしい名前ですね」 夫と助産師の、そんな会話が聞こえる。 分娩室の続き部屋で、赤ちゃんの産湯をつかい、体重を測ったり服を着せたりしてから、夫と長女は中に入れてもらったらしい。 写真を撮ったり、夫は助産師に教わって抱っこさせてもらったりもしているようだ。 そんな和やかな雰囲気をよそに、私が何をしていたかというと。 相変わらず分娩台の上で、大股を広げて仰向けになっていたのであった。 数人いたはずの助産師たちは、赤ちゃんを取り上げたひとりを残して姿を消した。彼女はやはり、私の股座を見つめている。 後産――胎盤が出てくるのを、待っているのだ。 先程の男性医師が、暇そうにウロウロしている。ぽつり、ぽつりと私に何事か話しかけ、途切れ途切れに短い会話を交わす。 ……暇だな~……。 “出口”付近にじんわりとした痛みが残っているものの、嵐はすっかり去ってしまっている。こうやって、ただぼーっと時間が過ぎるのを待つのって、結構苦痛なんだよね。何か観るとか読むとか聴くとか、せめてひと寝入りしたいけれど、身体を動かすことすらできない。 どのくらい時間が経ったのだろう。再びずるり、という感覚があって、後産が済んだ。 ちょっと見せて欲しいなー。自分の内臓を肉眼で見る機会なんて、そうそうないもん。そう思ったけれど、口には出せなかった。言えば良かったかしら。 助産師が立ち去ると、ようやく医師の出番となった。 「ちょっと裂けましたから、縫いますね」 そう言って、処置をはじめた。 裂けたのか。そういえば、切られなかったな。前のときは、2ヶ所切られて、縫われた。今回は、やはり一旦広がったところだから、切る必要がない程度には広がったんだな。でも広がりきらずに裂けちゃった、というわけだ。成程。 麻酔がかかっているので、痛みはない。傷も小さかったらしく、処置はすぐに済んだ。その後「ちょっと直診しますよ」と言われた。 へ? 直診? 「稀に、糸が直腸に突き抜けちゃうことがありますのでね。稀ですが」 んなコトになったら大変だ。 「あのぅ、痔、出てますか?」 私は直診を終えた医師に、気になっていたことを尋ねた。 「え?」 「前のとき、出ちゃったものですから。すぐ治りましたけど」 「ああ、大丈夫ですよ」 医師の声が笑った。 「出る隙もなかったですからね」 よかった。そうか、前のときは、分娩室に入ってから1時間くらいキバってた。今回はほとんどいきむことなく出てきちゃったから、余分なトコロも出なかったんだ。 そうかー、1回目と2回目の違いって、こんなところにも現れるんだ。 1回目の出産も、十分面白かったけれど、2回目はさらに面白い。体験とは貴重なものでありますな。 出産 その7 に続く #
by windblossom
| 2007-10-16 01:00
| 出産、そして
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